来世までの縁を誓う結婚式☆仏前式の流れをくわしく

来世までの縁を誓う結婚式☆仏前式の流れをくわしく | 披露宴・1.5次会・帰国後パーティーは会費制結婚式の【会費婚】

2018.7.3rd.

和婚を望むなら、神前式か仏前式です。

神社で執り行うのが神前式で、お寺で行うのが仏前式ですが、まわりに仏前式をした人がいなくてわからない…というプレ花嫁さまが多いのではないでしょうか。

仏前式には「仏様とご先祖様に、前世からの縁でめぐり逢えたことを感謝し、来世までの結びつきを誓う」という思想があります。

そして儀式の特徴は「数珠の授与」です。

仏前式の流れや費用、執り行うときの注意点などをご紹介します。

 

仏前式って?

和婚とひとくくりにされる神前式と仏前式ですが、基本的な思想が違います。

神社やホテル・結婚式場に併設の神殿で行われる神前式では「結婚は家と家とを新しく結びつける儀式」と考えます。

それに対して仏前式は「おふたりが前世からの縁でめぐり逢えたことを仏様とご先祖様に感謝し、来世まで連れ添うことを誓う儀式」です。

現在では仏前式を行うカップルは1%程度だといわれています。

仏前式を執り行う場所は?

仏前式はお寺(寺院)自宅(仏壇の前)のどちらかで執り行うのが一般的です。

新郎または新婦の先祖代々のお墓がある「菩提寺(ぼだいじ)」で行うことが多いでしょう。

お寺の僧侶を式師として、お寺の本堂・ご本尊の前で式を執り行います。

おふたりの家の宗派が違うときは、どちらかというと新郎側にあわせますが、信仰の深い方に合わせて行うこともあります。

どちらにするかはご両親や親族とも相談のうえ、決めた方が良いでしょう。

信徒ではなくても何かしらの縁があったお寺で行いたい場合は、そのお寺に相談してみましょう。

信徒でなくてはいけない、ということはありません。

自宅の場合は僧侶を招いて、お仏壇の前で式をあげます。お寺と自宅のどちらで行っても、式後は別の会場に移動して披露宴・披露パーティをすることが多いです。
東京都内では築地本願寺など、比較的大きな寺院や歴史の古い寺院で仏前式をあげているカップルに遭遇する方も多いのではないでしょうか?

ホテルや結婚式場に僧侶を招いて仏前式まで行えるところもありますが、数は多くなく限りがあります。

 

仏前式の流れ

式次第

仏前式の流れは宗派によって多少の違いがありますが、一般的な流れをご紹介します。

所要時間は30分~40分程度で、時間は神前式やキリスト教式と大きく変わりません。

入堂
両親、親族、参列者が入堂して着席します。

その後、媒酌人に付き添われた新郎、媒酌人婦人に付き添われた新婦がそれぞれ別の入り口から入堂します。

献香三拝(けんこうさんぱい)
僧侶が入堂して商工、参拝します。全員が頭を下げて合唱します。

啓白文(けいびゃくもん)朗読
啓白文とは僧侶が仏様に向かい朗読するもので、仏様とご先祖さまにおふたりの結婚を報告し、加護を願います。

漢文や和訓(漢文を読みくだしたもの)で内容に決まりはありませんが、個々で大きく変わるものではありません。

新郎新婦は焼香台の前に進み、参列者は起立します。

朗読後、新郎新婦と参列者は合掌します。

洒水灌頂(しゃすいかんぞう)
僧侶が吉祥水(いのちの水)を新郎新婦の頭上にそそいで清めます

寿珠(じゅず)授与
この儀式が仏前式の大きな特徴といえます。

僧侶から新郎新婦へ数珠(念珠)が授けられます。結婚式では寿珠という字を使います。

お互いが尊敬しあい拝み合う気持ちを持つようにとの願いが込められています。

仏前に供えられた白い房の数珠を新郎へ、赤い房の数珠を新婦に授けます。

新郎新婦は授けられた数珠を手にかけて合唱します。

この数珠は式の終了まで外しません。

お寺からの結婚祝いとして僧侶から新郎新婦それぞれに授けられるものですから、記念品としてだけでなく、一生ものとしてずっと大切に使うと良いでしょう。

指輪の交換(希望する場合)
指輪の交換を行いたい場合は、このタイミングにします。

希望するおふたりは事前に指輪の交換をお寺に相談しましょう。

リングピローなどは自由に準備できることが多いようです。

三帰礼文(さんきらいもん)
僧侶に続いて(導きで)、新郎新婦が仏前に誓約の経文を唱えます

盃事(さかずきごと)
これは神前式の三々九度にあたるものですが仏前式では盃が一つです。(神前式は三つ組みの盃です。)

新郎新婦のおふたりが盃の酒をいただいて(新婦が先に口をつけます)、続いて両家が固めの盃を交わします

参列者一同で祝杯をあげることです。

誓約文(せいやくもん)
新郎新婦が誓いの言葉(誓約文)を読み上げます。

一般的には新郎が代表して読みます。新郎の一番の見せ場です。

式師示訓(しきしじくん)
式師である僧侶から、新郎新婦に祝福の言葉が送られます。

普回向(ふえこう)
全員でご先祖様に感謝し、両家の健康、繁栄を祈ります。

普同三拝(ふどうさんぱい)
僧侶が仏前に向かい参拝し、無事に式が終了したことを感謝し、全員で頭を下げて合掌します。

退堂
僧侶、新郎新婦、媒酌人夫婦、両親、親族の順に退堂します。

この後に記念撮影となることが多いです。

またお寺によっては折鶴シャワーができるところもあります。

家族やご友人が折ってくれた折鶴で祝福されたら忘れられない思い出になりますね。

盃事でお酒をそそぐ女の子

仏前式の場合、盃事でお酒をそそぐ役目を親戚のお子さんが行ったりします。

親族からつとめてくれる子がいらっしゃると、おふたりにとっても親族の参列者にとっても大切な思い出になるでしょう。

仏前式でのおふたりの衣装

新郎新婦おふたりの衣装は神前式と同じように考えて、和装の婚礼衣装の中でも最も格式が高い白無垢の他、色打掛や引き振袖でもOKです。

髪型は基本的に文金高島田で、白無垢には「綿帽子」をそれ以外は「角隠し」をつけるのがしきたりですが、洋髪のヘアスタイルでも問題ないようです。

またお寺によってはドレスも可能とするところもあるようですが、この場合は確認が必要です。

新郎の装いも和装の「羽織袴」が基本ですが、新婦にあわせた正礼服、略礼服にしましょう。

 

参列者のマナーと必須の数珠

仏前式の参列者は基本的に親族のみで、参列には座布団の上に「正座」するのが基本ですが、足が悪いなど事情があれば、座椅子を用意してくださいます。

最初から座椅子で執り行うところもあるようです。

服装は他の結婚式のマナーと同じで、和装でも洋装でもかまいません。

香水など香りのするものはつけないのがマナーです。

また招待状に記載されていますが、数珠を忘れずに持参します。

数珠は略式数珠と本式数珠の2種類がありますが、略式数珠で問題ありません。

手を合わせる時は左手にかけて右手を添えて合わせるか、両手を合わせてかけて親指で静かにおさえます。

移動する時は左手に持ちます。

仏前式の費用

仏前式の場合、直接お寺に相談・申し込みをすることがほとんどでしょう。

他の挙式スタイルと異なり、結婚式場で申し込みできるところは少ないです。(紹介という形はあります。)

費用は寺院により異なり、10~25万円程度が相場とされ、「挙式料」ではなく「お布施」と表現されます。

費用を示してくれるお寺は良いですが、「お気持ちで」といわれてしまったときは相場を参考にしましょう。

気をつけるのは、この「お布施」には、衣裳や着付け代、写真代、また会食会場までの送迎といった費用などは含まれません。

それらは別に手配することになり、手間はかかりますが、手作りの結婚式という気持ちが強く感じられるかもしれませんね。

自宅で行うときに準備するもの

仏壇の掃除や仏具類のお磨きをしっかり行います。

そしてお飾り、お供えを用意します。

華やかで縁起の良い柄の打敷(うちしき)を敷き、両家の先祖位牌、生花(松一式の場合も)や紅白の鏡餅、赤や金箔など華やかなローソクや香炉、盃(交杯用具)、卓、座椅子などいろいろと用意しなくてはいけません。

根松(根がついた松)を用意して新生活を始める記念樹として植えることもあります。

詳しくはお寺に確認・相談して準備していきましょう。

仏前式を執り行うときの注意点

・衣裳についてはレンタル有無を事前に確認して、なければ別に手配する必要があります。そのカメラマンの手配なども行いましょう。

そして別会場への移動手段も送迎バスやタクシーを用意することも必要です。

・仏前式は、親族のみの参列が基本です。

そのため友人や同僚は参列できないので、披露宴への招待状で伝えておくようにしましょう。

大きな寺院では収容人数を超えなければ友人の参列も可能、とすることもあります。

・参列者への招待状に「数珠を持参してください」と明記します。

参列者の服装については、教会式や神前式と同じく礼服やパーティードレスで構いませんが、露出が多い服装は避けてもらうようにあわせてお伝えしましょう。

・もし足腰が悪い参列者がいるなら、事前に座椅子を準備してもらえるか寺院に確認します。

仏前式では式のあいだは正座ですので、きちんと手配しましょう。

仏前式の有名人

東貴博さん・安めぐみさんのおふたりは草寺の伝法院で仏前式を執り行いました。

市川海老蔵さん・小林麻央さんのおふたりは千葉県、成田山新勝寺でした。

有名人の方の仏前式も印象が強く、記憶に残っていますね。

つんく♂さんは京都の西本願寺で執り行っています。

海外の有名人ではapple社元CEOのスティーブ・ジョブズ氏が仏教徒だったため、仏前式スタイルで行われたそうです。

「仏様とご先祖様に、前世からの縁でめぐり逢えたことを感謝し、来世までの結びつきを誓う」という仏前式にある思想を理解すると興味がわいてきたのではないでしょうか。

国際結婚のおふたりにも仏前式は人気があります。

日本の伝統文化でもある仏前式、両家の宗教などに問題がなければ、とても特別な体験になることは間違いなく「人と違う結婚式をしたい」と考えているおふたりにおすすめです。